猫さんと一緒に学ぶ♪アヒルちゃんフィーダー難易度調整

2025/10/06 2025/10/06

こんにちは。
Happy Cat アドバイザーの坂崎清歌です。

前回は「アヒルちゃんフィーダーはなぜ難しいのか？」
というテーマでお話しました。
今回はその続きとして、
アヒルちゃんフィーダーの難易度調整についてご紹介します。

アヒルちゃんは難易度が変えられる！

レバーを押すとカリカリが出てくる仕組み。真剣な表情で挑戦中！

実はアヒルちゃんフィーダーには、
最初から難易度を調整できる工夫があります。

・穴の大きさが違う2種類のカップ（透明部分）
・カップを前向き／後ろ向きに装着する方法

この2つの組み合わせで、難易度を段階的に変えられるのです。

ちなみに「なぜ後ろ向きの方が簡単か？」というと…
レバーとカリカリの出てくる穴が近い場所にあるから。
猫さんにとっては
「押したらすぐそこから出てくる！」
という結びつきがわかりやすいんです。

後ろ向き（レバーと出口が近いので、結びつきやすくて簡単✨）

前向き（レバーと出口が離れているので、理解するのが難しい）

具体的には、こんなイメージでレベルが変わります。

猫さんの性格や経験に合わせて、
少しずつレベルを上げていくことが大切です。

アヒルちゃんフィーダーを使うと、
猫さんがどうやって新しい行動を学んでいくのかを観察できます。
これは行動分析学の基礎に触れられる、
ちょっと面白いポイントなんです。

『押したら出てきた！』を繰り返すことが学びの第一歩

行動の獲得：
まずは「この行動でカリカリをGETできる！」と
猫さんが成功体験を続けてすること（＝連続強化）。
そのために、最初はカリカリをたっぷり入れて出やすくする。
もし押しても出なかったら、人が次に押して出してあげる。
その後にもう一度チャレンジして成功すれば
「やればできる！」と学習が進みます。
行動の維持：
獲得できたら、今度は「毎回」ではなく
「たまに」出ない経験をしてもらうことが大事です。
成功率を少しずつ変化させることで、
レバー押し行動を安定して続けてもらえるようになります。
消去抵抗：
行動が獲得され、維持されたあとに
「出にくくなっても続けられるか？」＝諦めにくさが育っていきます。
これは猫さんの個性によっても違いが出ます。

こうして考えると、
アヒルちゃんフィーダーは猫さんにとって楽しいおもちゃであると同時に、
飼い主さんにとっては行動分析学の基礎を学ぶ教材にもなるんです。

・もーちゃん
→ 小さい穴＋前向き（最上級）をクリア！✨
・こいちゃん
→ 同じく最上級に挑戦中。
ただし「楽勝！」という感じではなく工夫しながら進めています。
・しーちゃん
→ 小さい穴＋後ろ向き（2段階目）で練習中。
まだ途中ですががんばっています❣️

猫さんごとに得意不得意があるので、
それぞれのペースでチャレンジすることが大事ですね。

レバーを押してペロリ♪『次はカリカリ出てくるかな？』

アヒルちゃんを観察していると、猫さんの個性がいろいろ見えてきます。

利き手：どちらの前足を多く使うかで「利き手」が見られることもあります。
オペラント条件づけの実験ぽい観察：レバー押しの様子は、まるでスキナー箱の「ネズミのレバー押し」実験を見ているよう。
もーちゃんは消去抵抗が高く（諦めないタイプ）、しーちゃんは比較的消去されやすい…など、違いが観察できます。
消去誘発性行動変動：レバーを押しても出ないことが続くと、猫さんは別の行動をしてみることがあります。
これは「そろそろ諦めそう」という合図になることも。
そういうサインに気づければ、猫さんが完全に諦めてしまう前にサポートできます。
こうした経験を飼い主さん自身がしておくことで、トレーニングでも「どのタイミングで助け舟を出せばいいか」が見えてきます。

パズルフィーダーは、猫さんの遊び道具であると同時に、
飼い主さんにとっても観察力を磨く学びの道具なんです。