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猫の採血ストレスを減らすトータルケアまとめ――おうちでできる準備と当日の工夫

      2025/11/05

こんにちは。
Happy Cat アドバイザーの坂崎清歌です。

ストレスを減らすためのトータル工夫まとめ

今回は、しーちゃんの術前検査を通して感じた
「ストレスを減らすためのトータルな工夫」についてまとめます。

これまでの記事では、ガバペンチンやジルケーンの準備、
採血時のサポート方法などをお伝えしてきましたが、
実際にやってみて改めて感じたのは、
「どれかひとつの工夫だけで魔法のようにうまくいくわけではない」
ということです。

キャリー選びは“始まりの一歩”

今回の検査では、よりスムーズに、
そしてなるべく負担をかけずに、しーちゃんをキャリーから出すために、
スライドして開くタイプのキャリーを選びました。
キャリーが安心できる空間であることはもちろんですが、それ以上に大切なのは、
いかに猫さんに無理をさせずに出てもらうか。
今回のポイントはまさにそこでした。

実際には、しーちゃんに「自分から出てもらう」形ではありません。
キャリーから猫さん自身が自然に出てくるのを少し待ってあげる――
それは素晴らしい取り組みだと思いますし、
できるなら私もそうしたいという気持ちはあります。
ですが現実には、猫さんによって向き不向きがあり、
しーちゃんの場合は以前の通院時の経験から
ブランケットで包まれて出た方が安心できるだろうと判断しました。

猫さんが落ち着いた状態で、ゆっくりとキャリーから出る(あるいは出してもらう)。
それができるかどうかは、その日の診察がうまくいくかどうかを左右する
とても大きなポイントだと思います。
キャリーをただの“運ぶ箱”ではなく、
“猫さんの気持ちを守る場所”として使えるようにするには、
やはり普段からの関わり方が大きく影響するのだと感じます。

猫さんに「キャリーに慣れてもらう」ことはもちろんですが、
「キャリーから出ること・出されること」にも慣れてもらっておくことが大切です。
そして、忘れがちなのが飼い主自身の“出し方の練習”。
猫さんのトレーニングの前に、まずは自分自身のトレーニング――
これも私がいつも大事にしているポイントです。

キャリーの扉を開けた瞬間に飛び出す、または縮こまって出てこない――
そんな状況にせず、少しずつ、安心を感じながら動けるようにしてあげる。
お家での小さな工夫の積み重ねが、検査の日だけでなく、
通院全体を通して猫さんの心の支えになるのだと思います。

お薬のサポートで“落ち着ける環境”を整える

今回の検査では、ジルケーンとガバペンチンを組み合わせて使いました。
どちらも
「怖がらせないように」「落ち着いていられるように」
するためのサポートです。
鎮静させるためではなく、
あくまで“安心していられる状態”をつくることを目的としています。

ガバペンチンは、不安をやわらげて気持ちを穏やかに保つのに役立ちます。
薬への反応に個体差がかなりあるので、投与のタイミングや量の調整は
獣医師と相談しながら、その子に合った使い方を見つけていくことが大切です。

実際には、「怖い経験を減らすためのサポート」としてお薬を取り入れる、
という考え方は、まだあまり知られていないように感じます。
「薬はちょっと怖い」「うちの子は暴れたりしないから大丈夫」「飲ませるのが難しそう」――
そんな理由で見送られてしまうことも少なくありません。

一方で、病院側も慎重になりすぎて勧めづらいという現実があります。
実際に、「ガバペンチンを使ってみましょう」と伝えたら
「うちの子がそんなに暴れるって言うんですか!?」と怒られてしまった、
という話を、動物看護師さんから聞いたこともあります。

でも本来、ガバペンチンは“暴れる子のための薬”ではありません。
“怖い思いをさせないための準備”として使うものです。
検査や診察を少しでも穏やかに受けられるように整える――それが目的です。
こうした考え方がもっと広く知ってもらえると、
猫さんの医療はずっと優しくなるはずです✨

体のサポートで“痛みのストレス”を減らす

心を落ち着ける工夫とあわせて、痛みへの配慮もとても大切です。
今回の採血では、エムラクリーム(局所麻酔クリーム)を使って、
針を刺すときの痛みをできるだけ減らしました。
これだけのことでも、猫さんの感じ方は大きく変わります。

まだ取り入れている病院は多くありませんが、
こうした“ちょっとした工夫”が猫さんの医療体験をやさしく変えていく
きっかけになると思います。
すべてを一度に変えることは難しくても、できるところから少しずつ。
その積み重ねが「猫さんに優しい医療」につながるのだと感じます。

おやつで“安心”をサポート

しーちゃんの場合、ちゅ〜るは最強の味方です❣️
採血中も、少しずつ舐めてもらうことで注意をそらせるだけでなく、
「病院=ちゅ〜るがもらえる場所」というポジティブな印象づけにもなります。
こうした小さな積み重ねが、次の通院時のストレス軽減に確実に効いてきます。

もちろん、猫さんによって“ご褒美”は違います。
大好きな食べ物がまだ見つかっていないなら、
触れてほしい場所を撫でる、優しく声をかける、好きな毛布で包む――
まずはそんなサポートでもいいと思います。

ブランケットの重要性にも触れておきたいです。
お家で普段から使っているモノ、その子の匂いがついているモノを使いましょう。
病院に行くからといって新しいブランケットを下ろすと、
慣れない匂いで逆に落ち着かないこともあります。
見栄えよりも「安心できる匂い」を優先に。
場合によってはフェリウェイなどを併用してあげるのもおすすめです。

病院とのチームワークが大事

今回の検査で一番ありがたかったのは、
動物病院の先生がこちらの希望を受け止め、協力してくださったことです。
「こうしてあげたい」という思いを伝えることが、
猫さんに優しい検査を実現する第一歩だと思います。
お互いに情報を共有して、“猫さんのためにできる最善”を
一緒に探していけるのは大事です。

猫さんの医療は、飼い主と病院が「協力して支え合うもの」。
ほんの少しの対話と工夫で、
猫さんの受けるストレスは大きく変えられると実感しました。

それでも現実には、
「いつ希望を伝えていいのかわからない」「先生の忙しさを思うと遠慮してしまう」――
そんなふうに感じている飼い主さんも多いと思います。
だからこそ、「こうしたい」という気持ちがあるときは、
タイミングを“見つける”のではなく、“作って”話してみてください。
「どんな準備をしておくといいか」「どうすればスムーズに協力できるか」
などを相談できるだけでも、猫さんの安心につながります。

おわりに

しーちゃんの術前検査を振り返って思うのは、
どんなに小さなことでも、
ひとつひとつの工夫が確かに猫さんを支えてくれるということ。
キャリー、お薬、ちゅ〜る、毛布、声かけ――どれも特別なものではありません。
でも、それらを「猫さんの気持ちを想像しながら」組み合わせることで、
安心して検査を受けられる環境ができていくのだと思います。

優しい医療は魔法ではなく、小さな工夫の積み重ね。
これからもみーにゃんズと一緒に、その積み重ねを続けていきたいと思います。

※採血時の工夫や当日の様子は、前回の記事で動画付きでご紹介しています。
改めてどこをどう工夫しているのかを頭で理解したうえで、
全体を俯瞰して見ることが大切だと思います。
「うちの子なら何ができるかな?」「まず何から始めてみよう?」と考えながら、
もう一度ぜひご覧ください✨
▶動画はこちら:猫さんの採血を優しくする工夫

 - みーにゃんズ, ストレス軽減, 通院・ケア


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